【KNBC会員紹介】横浜発、日本のディープテックを世界に
2026.07.14
TNPパートナーズ、世界大手ARKAS EOMと150億円ファンド
独立系ベンチャーキャピタル(VC)のTNPパートナーズ(横浜市港北区)は、世界的な投資運用会社のARKAS EOM(アーカス、アラブ首長国連邦アブダビ)と共同で、日本発のディープテック企業を世界市場へ送り出す新ファンド「ARKASTNP Ascend Fund I」の組成を始めた。目標規模は150億円。両社が設立した運営会社「ARKAS TNP Capital」を通じ、先端材料や半導体、ロボティクス、AIなどの各分野で研究開発型ベンチャーを発掘し、事業化から海外展開、資本市場への接続まで一貫して支援していく。
ディープテックとは、大学などの基礎研究から生まれた科学的発見をもとにした技術を指す。事業化して社会に実装できれば、国や世界規模の課題解決につながる潜在力を持つとされる。
半導体や次世代材料のように製品化まで長い時間と多額の資金がかかる分野が多く、技術の難度が高いものの、実用化できれば大きな価値を生む。一方で、研究室の成果が市場に届かず「技術のまま終わる」といった例も少なくないという。
TNPによると、日本はこの分野で世界有数の力を持っており、世界知的所有権機関(WIPO)の「グローバル・イノベーション・インデックス2025」でも東京-横浜エリアはイノベーション・クラスター世界2位。また、日本は世界の特許出願件数の約8%を占めている。
協業するARKAS EOMは、チョコレート菓子の「スニッカーズ」や「M&M'S」などで知られる米食品大手、MARSが長年取り組んできた経営概念「Economics of Mutuality(EoM)」を背景とするグローバル投資プラットフォーム。米連邦政府機関などとの連携実績を持ち、経済安全保障の枠組みの下で先端技術の育成や日米間のオープンイノベーションを進めている。
ディープテック企業はグローバル展開を担う経営人材や大型の成長資金、世界的企業との接点が不足しており、商業化の段階でつまずく企業は多いという。そこで新ファンドでは、こうした「商業化ギャップ」を埋め、日本発の優れた技術が世界で正当に評価される仕組みづくりを目指す。
TNPの呉雅俊社長は「日本のディープテック企業が世界市場に挑戦し、正当な企業価値評価を受けられる新たな成長モデルを構築したい」とコメント。同ファンドは第1号で、後続を含めたシリーズ全体で2030年までに運用総額10億ドル超を目指す。
※記事出典:かながわ経済新聞より
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