【KNBC会員紹介】サイバー防衛力強化、県内初の教育施設
アイルミッションなど、中小や金融機関向けにトレーニング
中小・小規模企業をターゲットとしたサイバー攻撃による被害が頻発する中、サイバーセキュリティーを担う人材を育成するための県内初の教育施設が横浜市内に誕生した。
ITソリューション企業、アイルミッション(同市西区)は、サイバージムジャパン(東京都港区)と業務提携し、サイバーセキュリティー トレーニングアリーナ「CYBERGYM(サイバージム)横浜」を開設。世界最先端のセキュリティー技術を学べるプログラムを提供し、経営者から従業員、エンジニアなどの職種別トレーニングや、国内初とする金融機関向けメニューを提供する。
同社によると、セキュリティー対策が手薄な中小企業などが狙われているケースが増えているとしており、実際、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の被害では、警察庁がつかんでいるだけでも114件中59件(2022年上期)が中小企業となっている。また、気づかないうちにデータを抜き取られているケースもあり、対策が急務になっている。
中小企業は大手と比べてセキュリティー対策が手薄とされ、ターゲットになりやすいという。また、ターゲットとなるのはパソコンだけでなく、製造業では生産設備や産業用ロボットなども含まれ、稼働停止によって、ものづくりのサプライチェーン全体に影響が広がるリスクも懸念されている。そのため、近年では取引要件としてサイバーセキュリティー対策を求められるケースも増えてきているという。
今回、アイルミッションでは、世界有数のサイバーセキュリティー先進国・イスラエルのノウハウを持つサイバージムと連携。横浜の本社内にトレーニング施設を新設し、中小企業などを対象としたサイバーセキュリティーのトレーニングプログラムを提供していく。
具体的には、階層別やエンジニア向け、初級から上級プログラムまでと幅広く設定。サイバーセキュリティーに対する基礎知識から対処法を学ぶだけでなく、一部プログラムでは実地訓練も行い、対応スキル習得を目指す。
経営者向けでは攻撃時の経営判断や模擬ケースのシミュレーションなども実施する。「“避難訓練”をやったことがあるかないかで違ってくる。備えを万全にしてもらう」(辻高志社長)と話している。
※記事出典:かながわ経済新聞より