【KNBC会員紹介】アットドウス、動物実験をIoT化するシステム開発へ/データ収集可能に
動物実験もIoT化―。医療機器開発ベンチャー、アットドウス(横浜市旭区鶴ヶ峰)は、新薬の開発時などに実施するマウス実験を自動化・可視化できる「動物実験システム」の開発に着手した。超小型デバイスをマウスに埋め込み、開発中の新薬などを、デバイスを通じて定期的に投薬する。バイタルデータの収集も可能だ。遠隔地にいてもパソコンやスマートフォンで操作、モニタリングできる。動物実験の効率化につながるだけでなく、実験ミスや研究員のストレス軽減にもつながるという。3年後をめどに製品化を目指す。
新薬開発時の動物実験では、薬の効果を検証するため、複数のマウスに対し、手作業で投薬している。しかし、小さなマウスに投薬するには、技術を要するだけでなく、定期的に投薬するタイミングを逃してしまえば実験ミスにつながりかねない。そこで製品化に乗り出した。
同社は開発に当たり、フェノバンス・リサーチ・アンド・テクノロジー(千葉県柏市、医学・創薬研究用疾患モデル動物解析技術の開発)、テスラシート(東京都小金井市、ワイヤレス電力伝送)のベンチャー2社と共同研究契約を結んだ。
開発中のデバイスは直径10~20ミリの超小型サイズ。ここに投薬デバイスやセンサーを内蔵させる。デバイスへの電源供給は、非接触のワイヤレス電源シート(テスラシート)を用いる。デバイスを埋め込んだマウスが、電源シート上を動き回ることで、自然と電力供給される仕組みだ。中村秀剛社長は「動物実験の課題解決につながります」としており、実用化を進めている。
(かながわ経済新聞紙面から)